松山の方より相続に関するご相談
2025年11月04日
Q:母の相続において、代襲相続人がいます。司法書士の先生、この場合の法定相続分の割合について教えていただけますか。(松山)
松山の実家で暮らしていた母が、この度息を引き取りました。母は昔、祖父の相続でかなりの遺産を受け取ったと聞いていますので、今回の相続では慎重に遺産分割を行う必要があると考えています。
といいますのも、母の相続で本来相続人となるべき私の実兄はすでに他界しており、その子、私からみた甥と姪の2人が代襲相続人になるのです。したがって、今回の相続では父、私、弟、甥、姪の5人で遺産分割することになります。
私と弟は今も松山の実家近くに暮らしていますが、甥と姪は兄が亡くなったことを機に松山を離れ、今ではほとんど連絡を取り合うこともなくなってしまいました。
正直に申しますと、弟は甥と姪に財産が渡ることに対して思うところがあるようです。とはいえ、兄の大切な子どもたちですし、母の遺産を相続する権利もあります。
皆が納得する遺産分割にするためにも、法の下でそれぞれがどの程度の割合で財産を受け取ることができるのか、教えていただきたいです。(松山)
A:法定相続分の割合は、相続人の相続順位や人数の組み合わせによって変わってきます。
民法では「法定相続分」という、相続人が複数名いる場合に各人が取得する遺産の割合の目安を定めています。法定相続分は、相続人の相続順位や人数の組み合わせによって割合が変わってきますので、まずは民法の定めを確認しましょう。
(1)法定相続人と各人の相続順位
民法に定める相続する権利を有する人を「法定相続人」といい、以下のように相続順位が定められています。
- 配偶者は常に法定相続人
 - 第一順位 子や孫などの直系卑属
 - 第二順位 父母や祖父母などの直系尊属
 - 第三順位 兄弟姉妹などの傍系血族
 
配偶者は常に法定相続人となりますが、その他の親族は相続順位に沿って相続権が与えられます。第一順位の人が存在すれば、第二順位以下の人が法定相続人になることはありません。上位の順位の人が死亡しているなどいない場合に、すぐ下の順位の人が法定相続人となります。
松山のご相談者様のケースでは、お父様は配偶者として法定相続人であり、松山のご相談者様、弟様、甥御様、姪御様の4人は共に第一順位の法定相続人です。
(2)法定相続分の割合
法定相続分の割合は、民法で以下のように示されています(以下、民法第900条より抜粋)。
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一、子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二、配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は三分の一とする。
三、配偶者及び兄弟姉妹が数人あるときは、配偶者の相続分は四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四、子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
以上を踏まえますと、まず、配偶者であるお父様と、その他の相続人とで1/2ずつに分けられます。次に、配偶者以外の相続人が、1/2の割合をそれぞれ等しく分け合うことになりますが、このとき、本来の相続人である亡くなったお兄様を1人分として考えます。したがって、1/2の割合を、松山のご相談者様、弟様、亡くなったお兄様の3人で割り、1人あたりの法定相続分は1/6となります。
最後に、亡くなったお兄様の法定相続分(1/6)を、代襲相続人である甥御様と姪御様の2人で割るので、1人あたり1/12となります。
- お父様:1/2
 - ご相談者様:1/6
 - 弟様:1/6
 - 甥御様:1/12
 - 姪御様:1/12
 
法定相続分の割合は以上となりますが、遺産分割協議によって全員の納得する遺産分割ができれば、この法定相続分に従う必要はありません。
松山のご相談者様のように代襲相続が発生するケースの他にも、さまざまな理由で相続関係が複雑になることもあります。松山にお住まいで遺産分割についてお悩みのある方は、どうぞお気軽に松山相続遺言相談室までお問い合わせください。初回完全無料にて、相続の専門家が丁寧に対応させていただきます。
「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました

当相談室の代表 司法書士・行政書士 西森が「生前対策まるわかりBOOK」に愛媛・松山の専門家として紹介されました。




